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研究プロジェクト

研究プロジェクトについて

私はこれまで一貫して、社会との共創により中高年者の健康問題の解決に役立つ研究に取り組んできました。

ロコモ・サルコペニアは、移動能力や筋力などの身体機能が低下した状態であり、将来要介護状態になるリスクが高いため、早期に発見し予防策を講じる必要があります。しかし、ロコモ・サルコペニアの判定は煩雑であり、安全面の問題も懸念されるため、これらを安全かつ簡易に判別する方法の開発が必要です。

UKK WALK TESTは、1990年代にフィンランドで開発された最大心肺持久力テストです。ランニングを用いる他の心肺持久力テストとは違い、UKK WALK TESTではウォーキングを用いるため、中高年者でも安全にテストを行うことができます。しかし、このテストを日本人に適用した場合の最大心肺持久力の推定精度には改善の余地があり、日本人によりフィットした最大心肺持久力の推定式の開発が待ち望まれています。

私たちは、現在、ロコモ・サルコペニアを安全で簡易に判別できる動的バランステスト、ウォーキングで日本人の最大心肺持久力を高精度に推定できるUKK WALK TEST日本版を開発中です。

主な研究プロジェクト

    ロコモティブシンドロームとサルコペニア判別のための新規な動的バランス指標の開発

    運動器の衰えにより移動能力が低下するロコモティブシンドローム(ロコモ)は、早期に発見しロコトレなどの対策を講じる必要があります。しかし、現行のロコモ度テストは評価が煩雑であることに加え、関節障害や転倒事故の起きるリスクがあるため、簡易な方法で安全にロコモを判別できるテストの開発が必要です。

    高齢者では移動能力の衰えが始まる前から動的バランス能力が低下することが報告されています。また、「立ち上りテスト」や「2ステップテスト」といったロコモ度テストの成績には動的バランス能力が影響します。

    これらのことから、私たちは、加速度センサーを用いて一定のリズムで交互に片足立ちを繰り返す動作の安定性を評価する方法(交互片脚立ちテスト)を開発し、この方法を用いてロコモ・サルコペニアを判別できないか検討を行っています。

  • ロコモティブシンドロームとサルコペニア判別のための新規な動的バランス指標の開発
      #箕面市  #泉大津市
  • 慢性腎臓病患者における動的バランス能力とロコモティブシンドローム・サルコペニアとの関連

    2019年5月から2023年1月まで、箕面市と泉大津市の自立高齢者270余名に対して上記の「交互片脚立ちテスト」を含む体力測定を行いました。

    この結果、ロコモ度の進行に伴って動的バランス能力が低下することが明らかになりました。現在、自立高齢者よりも運動機能の低いフレイル高齢者の動的バランス能力を調査するための臨床研究を計画中です。

  • 慢性腎臓病患者における動的バランス能力とロコモティブシンドローム・サルコペニアとの関連
      #大阪大学医学部付属病院腎臓内科(予定)
  • UKK Walk Test 日本版の作成に関する研究

    中高年者では、ウォーキングは最も人気のある健康づくり運動ですが、運動強度(目標心拍数)が適切に設定されていなければ期待した効果を得ることはできません。
    一般的に、目標心拍数は年齢から予測される最大心拍数(220-年齢)に基づいて計算します。しかし、実際の最大心拍数は個人差が大きいため、上記の方法では目標心拍数を正確に設定することはできません。中高年者の最大心拍数を高精度に予測可能な心肺持久力テストの開発が必要です。

    UKK WALK TESTは、1990年代にフィンランドで開発された最大心肺持久力テストです。通常、最大心肺持久力の評価にはランニングが用いられるため適用範囲は若年者に限られます。しかし、UKK WALK TESTではややきついくらいのウォーキングでよいため、中高年者でも安全にテストを行うことができます。
    しかし、このテストを日本人に適用した場合の最大心肺持久力の推定精度には改善の余地があります。そこで、私たちは日本人によりフィットした最大心肺持久力(及び最大心拍数)の推定式を構築するため「UKK WALK TEST日本版の開発」を進めています。

  • UKK Walk Test 日本版の作成に関する研究
      #大阪体育大学  #泉大津市

主な共同研究